ネタバレのみ映画感想

視聴した映画の感想を淡々と書きたいです。

ホットサマーナイツ

ティモシー・シャラメ主演の青春なんだかクライムなんだかラブストーリーなんだか色々詰め込んだ映画です。

最初に言っておきたいのですが今回に関しては最後まで面白く(イライラしたりはしましたが)見れました。
夢中にならない限り1時間半の映画だろうと休み休み見るのが普通なんですが、ほぼそんなことなかったです。


では本題の感想へ。
十代のカースト的には下位っぽいダニエルが夏の間過ごした先で起こった出来事を、その地元の少年のナレーションを時々交え展開されていきます。

地元民とバカンスでやってくる金持ちの観光客ばかりの所で浮くダニエルが、地元では有名で伝説のような噂のたくさんある悪い男(モテモテで大麻の売人)ハンターと知り合います。
ハンターはダニエルのことを、ダニーの方がクールだからそう呼ぶと言いました。
それから不思議と親しくなる二人。
というのも人々はハンターと個人的に話したり付き合うことはあっても人前では彼と接点を持たず関わらないという感じらしく、きっと孤独なのでしょう。
ダニエルも孤独なので自然とという感じなのかな。
ハンターと知り合ったことでダニエルは大麻を覚えます。

そんなある日、こちらも地元で有名な美少女かつセクシーでモテモテなマッケイラが(まだ見ぬナレーションの少年も夢中だそう)彼氏と喧嘩をした勢いで停車していたダニエルの車に乗り込みそのまま彼女の家までドライブするというラッキーが起こりました。

車中でまったく気の利いたことを言えないダニエルに興味なさそうなマッケイラですが何が面白かったのか笑いだして少し場が和み、ダニエルはもうチラッチラッチラッチラと助手席のマッケイラを見まくりですw

家についたものの何事かを考えるように沈んだ様子ですぐには車から降りないマッケイラにダニエルは「ジョークでも?」と言い出し、彼女はそれを受けました。
が、予想通りつまらないダニエル…
彼女は車から降り、やってもうた状態のダニエルでしたかマッケイラは助手席の窓から顔を覗かせ彼の名前を訊きます。
ダニエルだけどダニーと呼ばれてると返した彼に更に理由を訊くと「クールだから…」と。
そうは思わないからダニエルと呼ぶと言い去っていく彼女の名前を訪ね返しますが答えてはもらえませんでした。


そういう出会いがあり彼女を好きになってしまったとハンターに聞かせるダニエルは大麻を自分も売りたいとねだり出します。
女のためかと問われると違う違うと連呼しますが違わないと一蹴され、しかもそのセクシー美少女はなんとハンターの妹である事が発覚するのです。
手を出すなと釘を刺され了承するダニエルですが大麻を売ることだけは許可されました。

始めて少しするとダニエルはこのビジネスをもっと拡大すべく仕入れ量を増やそうとハンターに提案。
なんだかんだでハンターも了承し無謀な仕入れ先確保法に乗り出します。
それは初対面の犯罪者(彼らもですが)のホームパーティーに行き交渉するというもの。
当然怪しまれ交渉は決裂、あわや撃たれるというタイミングでハンターがその仕入れ先候補だった男を血まみれのボッコボコにします。
ハンターの伝説のような噂の中に「人を殺しているらしい」という全員が共通して知っているものがあるんですが、それが事実でもおかしくはない残忍さを垣間見た場面です。


まぁそこからの仕入れは当然無理ですが別の犯罪者から仕入れられる事になりました。
ハンターの地元にやってくる金持ち観光客は大人でもモリモリ大麻を買うので二人はどんどん儲けていき車を買ったり派手に遊んだりで楽しんでいます。

そしてそんな中マッケイラを見かけこそこそ付いていき、声をかけられないから物を落として相手に気付かせるダニエル。
振り向いた彼女にダニエル?と声をかけられ、いかにも自分は知らなかったという風なわざとらしい反応をするも彼女には見透かされている…
気がなさそうなのに思わせ振りなマッケイラはいわゆる間接キスをやってのけすっかり彼をその気にさせる罪深さ。

花火の日、友達や彼氏といるマッケイラを見つけナメクジにかける塩を渡します。
間接キスの時にマッケイラはナメクジにかける塩を買い求めにきていたためですw
長々お話することなく去るダニエルですが彼を小馬鹿にする彼氏達の声を背に、心を落ち着けるためなのか喘息の吸入器を咥えようとするもその手を止めます。(喘息云々は以降出てこないけど彼は喘息持ち)
そしてツカツカとマッケイラの元に戻り彼女にキスをし、彼氏に殴られるというイベントが。

このイベントの後日、ハンターとドライブシアターにいる時に限界だからとトイレへと小走りするダニエル。
股間を押さえつつかなりガチのやつですw
そんな時にマッケイラとその友達達に出くわしてしまうという。
キスの件を咎められ友達に唾も吐かれますが謝罪し、とにかくトイレへ。
漏らすのかと思ったけど大丈夫でしたw
自分のダサさを恥じブツブツ言いながら用を足しているとマッケイラがやってきて二度目のキス。
そんな急に止まった上に仕舞えたのかとか気になりましたが 問題ないようです…
この件から二人は真剣な交際へと進んでいきます。


一方ハンターにも出会いがありました。
初対面のエイミーの反応は良いものではなかったのですがこちらもすっかり親密に。
彼に目をつけている警官(地元では恐れられているというか一目置かれているような人)がいるんですがその娘であることが後にわかります。
あくまで視聴側の話でハンターは最初から知っていたとは思います、狭い町ですし。
彼らも花火の日に来ておりデートを楽しんでました。
ハンターとの交際は親に秘密で夜間のデートもこっそり家を抜け出しギリギリバレない危うさで行っています。


ダニエルなんですがこの野郎はハンターにもマッケイラにもそれぞれとの付き合いを隠しています。
二人は母親を亡くしており、売人もやめて喧嘩もやめてほしいという当たり前の願いを聞き入れることのないまま母を逝かせたハンターをマッケイラは恨んでいてずっと口を利いていません。
ハンターはそれを悔いてはいるものの相変わらずの生活だし仲直りできずにいます。
お金を送ってますがマッケイラがそれを遣うこともありません。
兄からは近付くなと牽制を受けそれに従うと約束をし、妹には自分が犯罪者であることを隠すため兄を知らないふりをし続けているのです。
言い出すなら今だという機会は数回あったのに嘘を重ね続けました。
自分から言わないと二人ともを失うのは明らかなのに、その場しのぎの嘘でごまかしやり過ごそうとするかなり姑息な薄情者だと思いましたね個人的には。
告白してもきっとすぐには許してもらえないだろうけど誠意をこめて謝り続ければもしかしたら…という程度の希望ながらも、二人を大事に想っているならむしろそれしか選択肢はないです。

ハンターもとうとうエイミーの父親である警官に交際がバレてしまいます。
とてもまずい結末になるのかと思いきや、警官はハンターを車に乗せ、あるバーの前へ。
女を連れたハンターの父親が姿を見せたので「父親がクズでも罪にはならない」し、売人の件も逮捕する気ならとっくにしてるだろというような会話があります。
それを受け、警官はハンターの父親は現れた瞬間女性に惚れられるような男だったし昔は仲も良く一緒に悪さもしたと語りだしました。
彼に助けられたと今も思ってると告げ、それを黙って聞きながら涙をこぼすハンター。
警官が目を付けながらも売人であり暴力的でもあるハンターを見逃していたのは彼なりの旧友への複雑な気持ちがあったようです。


そして、少しですがハンターは実家の前でマッケイラと話すことができました。
許してほしいという兄に売人をやめるよう迫り、最終的には、わかった!とハンターが折れました。

そんなこんなでダニエルが、今の仕入先には黙って別の仕入先からコカインを買い取り売り捌こうと大馬鹿野郎なことを言い出します。
この世界でそんな真似はできないしコカインを理解してるのかお前はとハンターは言いますが、ダニエルはもっと稼げるし黙ってやって何が悪いと食い下がります。
ハンターはそれを聞き、それで危険なことになっても俺に泣きつくなと答えその件には関わらないとピシャリ。
逆ギレのダニエルはその場から立ち去ります。

そして後日とうとうマッケイラにもハンターにも嘘がバレるし、コカインも本当に受け取りにのこのこ行ってしまうのです…
なんだこいつは…

もう絶対ヤバイ奴やんと誰の目にも明らかなのにとんでもないアホです…
コカインも吸うよう言われ、もう帰らないとと断ろうとするも凄まれてアッサリ吸引。
そして何故か顔を叩けと言われ相手の顔を叩きます。
「これは粉ミルクだ」と言われ拍子抜けするも束の間、金はもらうがお前自分のボスに黙ってここにいるだろうと相手の表情が一変。
何も言えないダニエルに、俺なら今すぐ逃げるとわざわざ忠告してくれて案外イイ奴な件w

クズ野郎ダニエルは速攻でハンターを頼りに行きます。
外は風雨凄まじい大荒れの嵐です。
ハンターはすでに大麻の入手先であるボスから電話を受け、巻き添え待ったなしの状況。
殺される!ヤバイ!と一人騒ぎ立て迷惑甚だしいダニエルにハンターは銃を向けます。
ここから去れ二度と戻るなと言うハンター。
ダニエルはマッケイラに別れを告げたいと身勝手なことを言いますがもちろんハンターは聞き入れず。

さっさと逃げ出すもダニエルは事故り、マッケイラの家に不法侵入。
当のマッケイラはハンターの所へ。
幼い頃の自分と兄の写真を見て思うところがあり、兄のガレージを訪れていたのです。
そこには地面に倒れているハンターの姿が。
ダニエルが逃げたあと奴の居場所を訊きにボスが現れ、ハンターは知らないとだけ答え、自分は無関係と弁明することも相手に銃を向け返すこともせず受け入れるかのように撃たれたのでした。
ハンターとばっちりすぎる…マッケイラと約束してやり直そうとしてたのにね。


ここでナレーションの少年の正体がわかります。
兄の遺体を発見したあと外から聞こえた車のエンジン音に引っ張られるように、放心状態でどしゃ降りの雨のなか出てくるマッケイラ。
その姿を窓から見ていた近所の子だったのです。
ストーリーにはまったく関わってこないので誰やねんなんですけどもねw

彼の語りによるとハンターの葬儀の参列者はたった四人、そのうちの二人はエイミーと彼女の父親(ハンター親の旧友だった例の警官)。
マッケイラを見たのはあの嵐の日が最後で彼女はどこかへ旅立ってしまい、その目的地へ辿り着けたのかもわからないとのこと。
ダニエルはそのまま逃げ続けたらしいこと等。


面白かった(?)のに何故感想を書いたかというとダニエルがクソすぎて文句言わずにいられなかったからです。
無害そうなフリしてまわりを巻き込む迷惑すぎる破滅型、親しい人までも軽んじているとしか思えない行動、誠意のない卑怯者、といくらでも悪態が出ますw

意地悪く言いますと悪名高くも女の子をすぐモノにしてしまう有名な彼がいて、町中の男の子達を夢中にさせている有名な彼女がいて、というある田舎町の当たり前だった光景と親しくなったはずのその兄妹を一夏でぶっ壊し去った少年のお話でした。