ネタバレのみ映画感想

視聴した映画の感想を淡々と書きたいです。

ブラックバード 家族が家族であるうちに

タイトルの後半いらないだろってまず思うこちらの映画…

しかしほんとに邦題ってセンスないものが多いですよね。

以前当たった邦題をちょっと変えて延々使いまわしたり内容と全く関係なかったり長ったらしかったりラノベみたいだったり。

 

話が逸れましたがネタバレと感想書いていきます。

 

 

主人公リリーは夫ポール、娘二人(長女には夫と息子あり)という家族構成。

彼女はいずれ呼吸さえも自分でできなくなる病を患っており、違法であるけれどもまだ体が動くうちに所謂安楽死をするため最後の時をみんなで過ごすべく家族が集まるところからお話が始まります。

 

一番最初にリリー夫婦宅に着いた長女家族が手土産をリリーに渡したり等しますが状況的にでしょうか、どこかぎこちない雰囲気。 

決まった事とはいえ、少なくとも長女はまだ動揺の中にいるようです。

そうこうしてると窓からリリーの親友のリズがやってくるのが見えて「家族だけだと言ってたのに何でリズが来るのかしら」的な事を夫に愚痴ります。

 

リズを迎える場面から変わり、次女が恋人なのか女性を連れて車に乗っていて「本当に行くの?」と訊ねられています。

行くと答えますが理由はわからないながら不穏な空気を感じさせながら走り去るのでした。

 

家族(リリーの親友、次女の恋人含む)は揃い、リビングに集まったり食事をしたりしながら楽しげに会話もするんですが、やはり雰囲気はすぐにおかしくなります。

明日はもうリリーが自死していないという状況に相応しくない発言をしてしまったとか大した事はないんですが、みんなが決行される安楽死について感情を出さないようにしている割に自然に過ごせず手探りでいるみたいな…

大まかではありますが、長女次女の口論で次女にドラッグか処方薬の問題がある??!ような事、キッチンの戸棚を開けたらネットで入手した安楽死に使う薬があったり、ポールは医者である事、次女が恋人に自分は納得していないから決行の前に通報すると打ち明けた事、ポールとその孫が安楽死は違法だし捕まらないのかと二人で話すシーンがありリリーの死を見守ったあと散歩に行きその間に自殺してしまったことにするのだと明かす事、リリーの体が言うことをきかなくなっている事を示すシーンその他諸々のイベントがあります。

 

で、リリーの提案でクリスマスをする事になり家族は支度を間に合わせ和やかにディナーです。 

クリスマスプレゼントという名目の形見分けを始め、親友には昔買ったネックレス、孫に100ドル(遺産は女と酒に遣えとリリーが言ったのでそう遣うらしい)、次女には祖母の指輪、長女にはバイブと夫からの贈り物で22年着けていたブレスレット、義理の息子には光る蝶ネクタイ(彼は蝶ネクタイが好きっぽい)、ポールには自分が着けているマリッジリングを渡します。

夫以外は嬉しそうだしいい雰囲気だったのですが長女が皿を褒めたらそれならあげるとリリーが言い、長女があなたは何か欲しい物ないの?と訊くと次女は「本当に死んでからもらえば」と返して場がまたおかしくなり始めます。

ですがそこでリリーが「ハッパの時間よ」と言って大麻をポールに取りに行かせみんなで吸おうみたいになります。

未成年の息子の前で…というリアクションの長女の手前「吸うのは死ぬときとセックスのときだけよ」と特に役に立ちそうもないフォローを入れますがこの人遺産は酒と女に注ぎ込め同様、話せるお婆ちゃん風のつもりなのがちょっとウザイかな…w

親は迷惑ですよねこういうタイプの祖父母いたら。

 

次女の恋人や長女夫婦や親友はリリーに付き合いますが結局孫も親の前で吸うんかい親も吸わせるんかいっていう(⁠~⁠_⁠~⁠;⁠)

孫はもう既に大麻は試したとは言ってましたが今夜は無礼講のご様子。

 

そしてまた次女が荒れ始めます。

リリーが二人の娘は誇りと言ったら「ほんとに?」から始まり、「あなた達を強くて自由な人間に育てた」と返されれば「あなたの娘は二人共壊れてる!」「連絡しなかった一ヶ月私は自殺未遂した!」とワーッと言うと長女も参戦し「注目されたくて自殺未遂した子よ」と以前にもあったような発言をします。

黙っていられなかったらしい次女の恋人も応戦しますが最終的に次女は席を立ちそれを恋人が追いかけ、ポールか旦那が長女を制止してディナーはおしまい。

リリーは疲れたから寝ると告げてポールの手を借りながら部屋へ戻り、残った家族はすぐに後片付け。

 

死ぬ前にこんなゴタゴタするの嫌すぎるなぁと思いましたが安楽死を決めてから家族と話し合う時間を十分に取らなかった(病状の悪化でとれなかったのかも)のかなとも思いました。

 

長女が次女の部屋の前でいると恋人が出てきて「彼女は今誰とも会わないから私と話さないか」という感じで長女を外へ連れて行きます。

そこで次女の自殺未遂の話になり「確かに注目を集めたかったのかもしれない、でも根本の原因がある」と彼女が双極性障害だと明かし、くっついたり離れたりで愛が不確かに思えていて救急車を呼んだ時付き添えなかったという事も。

そして通報の計画の件を打ち明けると長女が次女の部屋へ押しかける場面に変わります。

 

ママの邪魔をしないでとまくし立てられ「私は納得してない」と反論しますが「関係ない、ママが決めてること」と言い処方薬の件でも詰め寄られます。

俯いて黙ってしまった妹を見て謝り「あなたに優しくすると約束する。通報はしないで」と押し切り部屋を出たら次女の恋人が待っていて、去り際に長女が彼女にお礼を言いました。

そのまま階段を降りて行くと父とリズ(母の親友)が抱き合いキスしている場面に遭遇!

長女はまた静かに階段を上がっていきストーリーは翌朝に飛びます。

 

目を覚ました長女の旦那がベッドにいない妻を探しに物置きのような所へ行くと徹夜でやっていたのか熱心にアルバムを漁っていました。

どの旅行にも両親と自分達姉妹以外に必ずリズがいるのを確かめていたのです。

そして昨夜見た出来事を夫に話すと彼はきっと慰めあってたんだろうと。

しかし長女はそうは思えないと不信感からどんどん興奮していき終いには夫の顔にワインをかけるという暴挙に。

その行為で何故か火の付いた二人はその場でセックスになだれ込むというw

 

シーンは両親のベッドルームへ移り、死ぬ前にもう一度目覚めたいからブラインドを閉めてほしいとリリーがポールに頼んでいます。

そのベッドルームに次女がやってきてクリスマスディナーでの事を謝り未遂の件などを言わなかった理由なんかを話します。

ママが病気だから心配させたくなかったと言う娘にリリーも謝り「ママはあなたの心配をするのが幸せなの」と抱きしめ合い優しく娘を撫でるのでした。

こちらは一件落着のようです。

 

いよいよ決行日、またリビングに集まる家族達。

穏やかな日曜を過ごしてほしいとリリーがお願いし、ポールがそれに従おうと飲み物を勧めますが誰も応じません。

リリーが孫にみんなにジュースをあげてと言って孫はリリーに注いで渡してあげますがやっぱり他は誰も飲まないw

すっと立ち上がり長女は次女に声をかけ話があると連れ出します。

 

二人が外に並んで腰を下ろすと長女は昨夜見たことと、リズは父親の愛人だと伝えました。

リリーと知り合う前のポールとリズは恋人関係だったらしく二人の関係は長女の中では間違いないと感じていて、父は医者だしリズと共謀して死なせようとしているのではないかというところまで疑っています。

 

ポールは一人の時に泣いたりしてるし長女の旦那が言ったように慰め合ってた説もあるのでこの時私は長女の推理に半信半疑でしたが。

 

今朝の自分同様に取り乱し母に教えるか?と訊ねる次女にそんな事はできないとは言ったものの…

 

家の中に戻ってきた二人は安楽死に反対すると宣言します。

今更何を言うのかとみんなが戸惑っている中、愛人疑いの事は伏せながら「ママは知らないからだ」「誰かにそそのかされたのではないか」「死ぬのは間違いかもしれない」と言い募る長女でしたがリリーはなんの事かわからない様子で埒が明きません。

次女は「怖いの」と母の死への気持を口にしリリーも「私も怖い」と同意しますが、これまでの中で彼女は「死ぬ日を決めたら死への恐怖がなくなった」と話していたんですがあれは家族を安心させる痩せ我慢だったのでしょうか。

 

不倫疑惑の父親やリズも口出ししようとするので長女は余計にヒートアップしつつも困惑と悲しみの表情を浮かべ泣き出しそうになり、ついに父とリズの疑惑を口にするのです。

言葉につまる母と父よりもリズが飛び出してきて長女に「あんた嫌な女ね!」みたいな事を言い出し「夫と息子がいて自分がどれだけ幸せかわかってない」「子供の頃(?)から愛し愛された人を取りあげないで」と宣ったのです。

 

何を言うとるんやとw

長女が家族をもっている事とおたくらの不倫が何の関係あるのっていう。

取り上げるなとかその愛し愛された人とやらの妻の目の前でかつ、その娘によく言えたなと。

それ言うの今なの!?もう死の時間は迫ってるのに間違いなくさらなる波乱が起こりますよね?!っていうね。

 

リリーの反応も明らかにおかしいしリズは的はずれな批判かつ開き直った大層な事言い出すし、まさか娘達はリズが産んだとか言い出す展開なのかなとゲスパーしましたw

 

答えないなら通報する!と最後の切り札を出してきた長女にやはり何も言い出せない3人を見て次女が「通報して!」と声を掛けるととうとうリリーが夫と親友の不倫を認めます。

病気がわかってから自分が二人に頼んだ、なぜなら愛がすべてだからみたいなよくわからない説明をするんですが何故か誰も突っ込まないし納得した様子で正直まったくついて行けなかったです。

 

闘病を支えてくれる夫の逃げ場とか自分の死後を考えてのことなんでしょうか?

自分の夫に気持ちを残している親友が相手なら最適だと?

死にゆく人に頼まれたからってわかりましたこれから私達不倫しますって普通はならないと思うので元々互いに結婚後も気があったんですよねきっと。

何より理由も聞いてないのにあの説明で納得した家族が一番不可解で(⁠-⁠_⁠-⁠;⁠)

母が了承してるなら私達は何も言えないってことですかね。

 

 

この流れでいささか強引にクライマックスへ。

当初は夫だけが見守る中という予定でしたが両脇に娘二人、向かいには夫という配置でベッドの上にいます。

見たばかりなのに記憶が曖昧なんですが薬を飲み干す前かあとに以下のやりとり。

最期の言葉です。

 

また「怖いわ」と言うリリー。

夫「怖がるな」

リリー「死んだらどこにいくの」

夫「きみが教えてくれ」

 

寄り添い静かにその時を待つ家族四人。

 

そして長女一家が車で去るシーンへ移ります。

家の前にいる祖父に車内から手を振る孫。

おそらく長女一家が一番最後に出たのでしょう、予定通り1人散歩へ出かけていくポールからのエンドロール。

 

 

という感じです。

尊厳死がテーマなわけですがとにかくうっっっすい!

他はぶん投げて最後の2日間ぐらいに絞ってるのにも関わらず。

最後の最後まで葛藤や家族のゴタゴタがあったけど家族愛で乗り越え穏やかに本懐を遂げたっていうのにしたかったのはよくわかるんですが映画として全く面白くなかったです。

見終わっても感動とか重い気分になるとか何か感じるものがあるとか余韻とか一切なかったです。

というか何もないですw

 

あと私だけかもしれないんですがキャスト確認せず見たら長女がケイト・ウィンスレットだとなかなか気付かずw

個人的にはケイトを美人だと思っているんですが美しさもオーラも見事に消してました。

 

という訳で誰にも感情移入できないしつまらない映画でした。