ネタバレのみ映画感想

視聴した映画の感想を淡々と書きたいです。

ELI イーライ

ホラー映画ですね。
こんなに突っ込みたい映画は数年ぶり。

中盤まで結構ハラハラして楽しめましたが問題は終盤。
そういうのって思ってもやったらアカンやつでは!?というメチャクチャさを感じましたw


ストーリーは11歳の少年イーライの自己免疫疾患を治療するため両親と共にその筋のスペシャリスト的な女医の営む施設(屋敷)へ向かう事から進んでいきます。

イーライは外気に触れることができないのでガチの防護服で身を守ってるんですが、恐ろしく低レベルで意地の悪い大人達にその姿をからかわれた末に危険にさらされるという胸糞イベントを道中こなしつつ無事に到着。

優しそうな女医と女性ばかりのスタッフがいる完璧な設備の屋敷の中でならイーライは防護服を脱いで生活できるしシャワーだって浴びられます。

発症は4年前なのでイーライと両親が直にハグするのも久しぶり。
その喜ぶ様子がこの映画唯一の癒されシーン…



そんなこんなで吐息で窓を曇らせ文字を書いたら見えない何かが文字を(ELIと書いたらLIE嘘と)書き返してきたり幽霊を見たりで心霊現象が起こり始め治療も始まります。

治療がまた痛そうなんですよ…
詳しく書くと気持ち悪い(私がw)ので省きますが手足は拘束され頭も固定され正にされるがまま。
過酷な治療の最中に器具に映る迫り来ている幽霊のようなものを見て混乱するイーライですがそのまま意識を失います。

心霊現象はその後も続いて壁への落書きに留まらず、幽霊はみんな子供で数人がかりで引っ張ってイーライを外に連れ出そうとしたり(外気に触れると皮膚は赤く爛れ呼吸ができない)死ぬ思いをさせられますが彼がいくら訴えても治療の副作用であると誰も取り合ってくれません。

二度目の治療も過酷なもので、いや治す気ないだろ!と視聴側は思うこと請け合いですが両親は一見最もな事を言うこの医者を信じきっているので制止してくれるはずもありません。

治療はうまくいっておらず、でも悪化してから回復するものだと女医は説明しますがイーライでなくとも疑心しか持てません。

体はどんどん弱り精神的にも拠り所がなく幽霊には脅かされるわでイーライにとってとても辛い状況の中、屋敷の外に現れる少女と知り合いガラス越しではありますがたまにこっそりとお喋りするようになります。

前に滞在していた他の患者ともこうしてお喋りしていたらしい年上の少女。
不気味な施設の敷地に侵入し夜な夜なうろついてる女の子という時点でおかしいんですが悪い子ではない様子。
幽霊がいるなんてどの患者からも聞いてないと女医は言ってましたが別の少年も幽霊を見たと話していたという情報を彼女から入手できました。


イーライの中でこの施設がおかしい事はもう確信になっており必死の抵抗を試みます。
カルテを盗み見て発覚したのはここで治療を受けた子供達は皆亡くなっているという事実。
皆彼のように治療を重ねるごとに弱っていき3度目の治療で変わり果てた姿となり絶命している様子を記録した写真まであるのです。

見回りの看護師から何とか逃れ、見たことを両親に伝えますが例のごとく相手にされません。
この両親なんですが他の患者の治療結果が芳しくなかったことも承知している様子の父親といい、夫婦仲は偽りで実際には冷めきっている描写なども盛り込まれておりいよいよイーライ以外はおかしい雰囲気です。

しかも父親は息子が死んでもいいから治療を続行したい意向で一度はイーライを連れて帰ろうとした母親も折れます。

展開に次ぐ展開です。
もうなんやかんやあり、女医達に外に出されそうになり症状が出て苦しむイーライですが突然治まり免疫疾患が嘘だったことが判明。
殺されそうだったというのに母に向けてぼく息ができるよ!と叫ぶ健気な姿にいたたまれなさが最高潮に。

そして免疫疾患は嘘だけどあなたの病気は内側にあるのだと言う女医。
これは…とピンと来る人は来ますね。
両親も知っているようです。


怪しい少女との対面や車が燃やされるなど色々イベントもありつつ、牢のような部屋に閉じ込められてしまいます。
そこへ母親が慰めにやって来ますがイーライが背を向けたまま動かず倒れていくのを見て驚き、駆けよると彼が事前に見つけて隠し持っていた十字架で殴られあっさり気絶。
そしてイーライ脱走。

この後目覚めた母親は治療したはずの子供達の遺体をそこで発見し驚愕します。


更になんやかんやで運命の三度目の治療。
今回は両親も参加しており当然のことながら泣き叫び嫌がるイーライ。
そして女医(ラベンダー色で古めかしい形の手術着や帽子姿)が突然牧師風のストラを肩にかけとてもシュールなスタイルに。

もうこれは嫌でもわかりますね、そうです!
彼女達はエクソシストだったのです!!
病気は内側なのと言っていたのは悪魔のこと。
イーライは悪魔との間の息子で母親もそして父親も承知している様子。
ちょっと色々気になるw



悪魔払いも何のその、イーライは急に覚醒し力を発揮すると(なんか顔も若干気持ち悪くなってる)女医や看護師達を逆さ釣りにして手術室の中で回転させ、彼の背景の演出の一部と化したあげく火だるまにしてしまいます。
エクソシストに協力的な父も亡き者に。


覚醒イーライがあれこれボーボーと燃やしながら屋敷の外に出ると少女が犯人であろう焼けた車の側で待っていて私達のパパのところへ行こうと話しかけます。
呆然としている母親にあんた運転してと命令しつつ、亡くなった子達も兄弟なのだとネタバレ。

彼女がパパ呼びした時トドメのように萎えさせられました…

三人車に乗り込むも母親は動揺からなかなかエンジンをかけられません。
少女は呆れ顔ですがイーライは自分が苦しくなった時に母が導いてくれた気持ちの落ち着け方(バースデーケーキのロウソクを吹き消すように呼吸させ最後に願い事もする)を促します。
とはいえ健気なイーライの姿はそこにはありません。
見た目は変わらず少年ですが彼はもう別人のようです。

気を取り直した母親がエンジンスタート。
先は長いんだからねと少女の台詞を〆に屋敷を包む炎がホラーで幻想的に映し出されエンド。

てかそのパパとやらの所には車で行けるんかい…



女医がシュールになった時にもう見るのやめようかとちょっと迷いましたが数回苦笑は出ましたが完走できましたw

自己免疫疾患が嘘なら外気に触れた時の彼の症状は一体何なの!?どう悪魔関係あるの!?という負に落ちなさが残ります。
思い込みの力による症状なんでしょうか。



終盤までは何の文句もなく引き込まれて見れたんですが…
私の拙い文章力ではとても表現しきれない謎の疾走感があるハチャメチャさでしたw


そして数日経ってから書いた感想なので時系列がおかしいかもしれませんがこういう物語なのには偽りありません。


これをどんでん返し扱いできるか、急激なクソ展開だったと残念に思うかで感想は分かれるでしょう。